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生体吸収性 骨再生材料 Octacalcium Phosphate (OCP) 連続フロー合成法

Octacalcium Phosphate (OCP)を大量生産することは不可能だと思っていませんか?
日本ファインセラミックスは商業レベルで高品質なOCPを安定生産することに成功しました。
高品質なOCPを使って新しい技術開発に挑戦し、医療業界にインパクトを与えてみませんか?

サービス

日本ファインセラミックスは、お客様の製品ニーズに適合するOCPの要件を明確化し、タイムリーかつ正確な方法でお客様の要件に従ってOCPを提供するお手伝いをいたします。数十年にわたる経験と専門知識により、材料特性の最適化など、お客様の次世代製品の開発を一緒になって行っていきます。

材料

リン酸八カルシウム ーCa₈H₂(PO₄)₆・5H₂Oー

ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2、HA)、β-リン酸三カルシウム(β-Ca3(PO4)2、β-TCP)、リン酸八カルシウム(Ca₈H₂(PO₄)₆・5H₂O、OCP)などのリン酸カルシウムは、人工骨代替材料として注目されています。東北大学 鈴木治教授らは、OCPが間葉系幹細胞の骨芽細胞分化やマクロファージからの破骨細胞形成を促進することにより、HAやβ-TCPに比べて高い骨伝導性と生分解性を示すことを報告してます。[1]

OCPを人工骨代替材料として応用するためには、OCPを安定的に合成することが必要です。しかし、標準的なバッチリアクターを用いて合成されるOCPは、pHや各種イオン濃度などの反応場の条件が常に変化するため、安定した大量合成が非常に困難であると認識されています。[2]

この度、日本ファインセラミックスは、高品質のOCPを安定して大量に得るための「連続フロー合成法」を開発し、商業レベルで確立することに成功しました。

連続フロー合成法

当社が開発したOCP連続フロー合成法は、反応場に溶液を連続的に供給し、一定速度で排出する今までにない合成法です。市販の晶析装置では、いくつかの問題により大量のOCPを連続して合成し続けることが困難でした。今回開発した連続式晶析装置ではこの問題を解決し、高品質のOCPを安定的に得ることが可能となりました。

新開発の合成装置で調製した生成物のXRDパターンは、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O、DCPD)やHAのようなリン酸カルシウムの出現のないOCPに対応する典型的な回折を示し、生成物がOCP単相であることを示唆しています(図1)。

合成から造粒工程を含む「連続フロー合成法」により、150g/日(8hrs)以上の生産量を達成しました。フロー合成方式ですので、スケールアップも比較的容易に対応可能です。

HP用XRDパターン-3_邦文.jpg

参照

[1] O Suzuki, Y Shiwaku, R Hamai. Octacalcium phosphate bone substitute materials: Comparison between properties of biomaterials and other calcium phosphate materials. Dental Materials Journal, 2019; 39:187-199. Doi: 10.4012/dmj.2020-001

[2] R. O'Sullivan, D. Kelly. Synthesis methodologies options for large-scale manufacturer of octacalcium phosphate. Octacalcium Phosphate Biomaterials Ed. by O. Suzuki, G. Insley. Elsevier, 2019:147-176.

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